しつけで罰を与えるのは逆効果

問題行動で罰を与えるデメリット

ワンちゃんが問題行動を起こしたときに、罰を与えていませんか。
しつけをするつもりで叩く、鼻先をつかむ、仰向けに押さえつけるなどの体罰を与えることがあるかもしれません。
体罰をしなくても叩くまねをする、鋭い声音で叱りつける、空き缶に小銭を入れて嫌な音を立てて注意を促す、ケージを叩くなどの罰をつい与えてしまうことがあります。

犬のしつけのつもりで罰を与えても、実は効果が期待できません。
それどころか飼い主との関係が悪化して、人も犬もストレスを感じながら暮らすケースも多いのです。

罰を与えるしつけには、大きなリスクを伴います。なぜならこのような罰は、犬に恐怖心を植え付けるからです。
体罰はダメだけれど、叩くまねや犬が嫌う音をさせる、ゲージを叩く程度なら大丈夫だろうと安易に考えがちですが、これらの罰でも、犬は大きな恐怖心をいだきます。
大好きな飼い主から睨みつけて叱られる、ビクッするような嫌な音を近くで鳴らされる、安心できるねぐらであるゲージを叩かれてくつろげる場所がなくなるなど、これらの罰も犬にとって苦痛を与える行為なのです。

犬のしつけは叱るにせよ、褒めるにせよ、その行為をしてから1秒以内でなければ、犬には理解できません。
例えば外出中にトイレ以外の場所におしっこをしていた場合、帰宅してそれに気づいて叱っても、犬にはなぜ叱られるのかわからないのです。
それどころか、飼い主は家に帰ってくると叱ると受け止めます。
その結果、犬によっては飼い主が外出するのを怖がるようになって、問題行動をますます悪化させることがあるのです。

また、叩く、マズルを押さえつけるなどの体罰を与え続けていると、ハンドシャイという行動を起こすリスクもあります。
ハンドシャイとは、人の手を怖がるという意味です。
その結果、犬を撫でようとして手を伸ばしたり、おやつを与えようとして手を差し出したりした場合でも、体罰を与えられた恐怖を思い出して唸ったり、噛み付いたりすることがあります。
これは犬にとっても飼い主にとっても、とても不幸なことです。

問題行動の適切な対処法とは?

では、問題行動を起こしたときに、どのようにしつけをすればいいのでしょうか。
それは、犬が恐怖心を抱かない罰を与えて、悪いことをしたと知らせてあけせることです。

具体的にどうするかというと、無視をするのです。
悪いことをしたときに大きな声で叱ったり、大騒ぎをしたりするのはおすすめできません。
例えば無駄吠えをしていつも叱られている場合、犬は飼い主に構ってもらえたと受け取ることがあります。
その結果、もっと構ってほしくてその行為を繰り返すことがあるからです。

しかしいつもは叱られるのに、無駄吠えをしても飼い主が無視をして関心を示さないと、犬は不安を感じます。
ただし無視をして、不安感を与えるだけでは不十分です。
その分、たくさん褒めてあげましょう。
吠えると叱るかわりに、吠えないときに褒めたり遊んだりしてあげてください。
私達は犬が悪いことをすると注意を向けますが、おとなしくいい子にしているときはあまり注意を払わないことが多いのです。
おとなしくしているときに、いっぱい構ってあげましょう。
そうすると、おとなしくすれば褒めてもらえると学習して、無駄吠えをしなくなります。